
LINEなら相談しやすい。 依存症経験のある専門カウンセラーが、個別対応。
最近、マスコミなどで取り上げられる機会が増え、一般の方の中にも認知が進みつつある依存症。
情報に触れることで、もしかしたら自分がそうなのではないか、もしくはお子さんやパートナー、親がそうなのではないかと感じられている方も増えているのではないでしょうか?
こういったニュースや情報の多くは「困ったら、おかしいなと思ったら早めに専門機関に相談を」という流れで締められることが多いのですが、いざとなると中々相談する勇気が湧かなかったり、勇気を出して相談をしたのに、その対応によって、さらに混乱してしまったりというケースがあるとか…。
●「困ったら早めに相談を」は基本
たしかに「困ったら早めに相談を」はその通りです。しかし、実際には、依存症のご本人や家族が「相談」という具体的な行動を取るまで、その一歩を踏み出すことが、実は本当に大変なことだと、依存症者の回復支援や家族の相談支援などに関わり、ご自身もギャンブル依存の経験がある、精神保健福祉士の三宅隆之さんは語ります。
<以下、三宅さん談>
10年前、当時、私はギャンブル依存症の真っただ中にいました。
「ギャンブルの問題なんか、誰が聞いてくれるんだよ…」と、悩むだけ悩んだ後、「相談」と名前が付くところに、片っ端から電話した結果、ある機関の相談員さんから、「あなたは二重人格です」と言われ、非常に落ち込んだことがあります。ギャンブルをしている時とそうでない時のことを、一気に話したので、そのように聞こえたのかもしれませんが…、それにしても二重人格とは…。
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こんな経験をされたそうです。
言葉は違うかもしれませんが、三宅さんと同じように、相談はしたけれど、その対応にさらに混乱した、戸惑ったという方も多くいるかもしれません。
依存症に関して、一体どこに相談すればいいのか? そこは相談しやすいか所なのだろうか?
どんな人が話を聞いてくれるのか? どこまでアドバイスがもらえるのだろうか?
…ご本人もご家族もこんなふうに困ってしまい、それでも一歩を踏み出せればよいのですが、「相談はまた今度…」となってしまうことあるではないかと危惧します。
三宅さんが勤務している一般財団法人ワンネスグループでは、こういった相談への心理的
ハードルを下げるため、様々な取組みを行っています。
2014年9月に開設した、フリーダイヤルとメールの相談窓口には、2016年3月時点で、電話1000件以上、メール300件以上もの相談が寄せられています。最近はマスコミで紹介されることも増え、一日あたりの相談件数が、さらに増加傾向にあるとか。こちらではグループの各施設の専門スタッフが交代で対応にあたり、基礎的な対応方法や回復の手立ての紹介、回復に関する社会資源の紹介など行います。
これまでの相談内容から、いくつかの特徴を教えてもらいました。
特徴的な点は
1)電話相談については8割以上が家族から。本人からの電話は1割に満たない。
2)メール相談については、4割強が本人から。うち半数が女性。
3)相談内容を、「アルコール」「薬物」「ギャンブル」「その他」で分類すると、
電話、メール双方とも半数近くが「ギャンブル」についての相談。
電話と違ってメールは即座にやり取りができないものの、スタッフとの直接の会話がない分、気軽に相談できるという利点がありそうです。また、緊張しないで好きな時間に打って、好きな時間に送信することができます。逆にメールを打つのが苦手、電話の方が単純でよいという方、こちらはご家族の方、なかでもご本人の親御さんが多いのが特徴だそうです。
さらにワンネスグループは、もっと気軽に相談してほしい、身近な存在になりたいと考え、今年2月より、公式LINEアカウントを立ち上げ、さらに相談メッセージを個別に受けるようにしています。
※上の画像はワンネスグループからの発信情報。活動の様子が日常的に送られます。このアカウントに返信をすることで、1対1のトークが可能。
ワンネスグループの公式アカウント @oneness-g.com を検索し、友達登録することで、1対1トークで秘密厳守の相談が可能になります。
LINEという手軽なコミュニケーションツールを利用することで、相談への心理的なハードルを下げることを狙いに始めたところ、電話やメールでは見られなかったタイプの方からも相談が来るようになったそう。
ギャンブルにしても、薬物、アルコールにしても、「早目に相談を!」と言うのは簡単ですが、実際に電話なりメールをして、自身の抱える悩みを誰かに話すという事は、大変な勇気が必要です。依存症に対する世間の意識を考えた時、恥ずかしくて誰にも相談できないし、地元の相談機関に行ったことが、近所や地域の人たちに知られたらどうしようとの思いも、少なからずあるでしょう。
ワンネスグループスタッフは、それぞれが依存症の苦しみを経験し、そこから回復した経験を持つだけでなく、相談することの難しさを経験し、さらには家族をはじめ大切な人が相談する事をためらう姿を目の当たりにした経験もあります。その分、他人事ではない、自分のこととして、相談に対応してくれる安心感がありました。
相談は回復への初めの一歩です。困ったら、早めに相談を。