
IR(カジノを含む統合型リゾート)推進法案に揺れる国会、 メリットとデメリットを理解し、ギャンブル依存症について知る機会に。
●IR推進法案を通して知るギャンブル依存症
国会では、IR(カジノを含む統合型リゾート)推進法案が、12月6日、衆議院本会議で可決され、参議院入りしました。今臨時国会での成立を目指すべく審議を進める勢力がある一方、慎重な審議を求める勢力もあり、国会最終盤の注目点となっています。IR推進法案が審議入りする前から、「経済効果、地域振興vsギャンブル依存症増加、治安悪化」といったように、賛成と反対がぶつかり合う構図が続いています。
ギャンブル依存症について注目が高まり、メディアで取り上げられることが増えたことで、今まであまり興味がなかった方にも知ってもらえる機会になっているのではないでしょうか? 法案の動きを通して、ギャンブル依存症(ギャンブル障害)を含めた、問題ギャンブル対策への原動力になって欲しいと強く願っています。
●ギャンブル依存症回復専門の国際組織IGCCB
厚生労働省によるとギャンブル依存症の疑いがある方は、国内で約530万人にも上るといわれています。パチンコやパチスロだけでなく、オートレースや競馬、宝くじやtotoなど、対象はさまざまですが、私たちのまわりにはギャンブルやギャンブル性が高いものが多く存在しています。楽しみの範囲を越えて、家族やまわりの大切な人々を巻き込んで、社会生活を破たんさせてしまうまでのめり込んでしまうのが依存症です。
最近は「ギャンブル障害」とも呼ばれるようになっています。ギャンブル依存症は、国内だけではなく、海外でも多くの方が苦しんでいます。依存症回復先進国の欧米には、カウンセラーや回復プログラムを開発するギャンブル依存症の国際的な専門組織が存在しており、今、日本でもこういった国際組織と連携して、先見的なノウハウを導入する動きが活発化しています。その一つがアメリカに本拠地を置くIGCCB(国際問題ギャンブルカウンセラー認定委員会)です。こちらではギャンブル依存症専門カウンセラー資格を運営しており、今、日本でもこの国際資格を取得できる体制が整ってきました。
IGCCBのカリキュラムを受け、資格試験に合格した専門カウンセラーが、日本にも誕生しています。今までも国内で当事者や家族支援は行われてきましたが、こういった専門資格を持つカウンセラーが登場し、増えることで、国内のギャンブル依存症対策がいっそう充実していくと期待が寄せられています。
★国際問題ギャンブルカウンセラー認定委員会(IGCCB)について
http://oneness-g.com/igccb/
●ギャンブル依存症対策の充実のために
いまこの瞬間も、自身のギャンブルがコントロールできないことにより苦しんでいる本人や、そのご家族が存在しています。家庭内の問題はもちろん、職場、学校、地域社会などにおいて様々な人が影響を受けますし、この記事を読まれているあなた自身が、依存症になる可能性もゼロではないのです。
ギャンブル依存症はそれほど他人事ではない、身近な問題です。「見ない、聞かせない、触れさせない」で、ギャンブル依存症を解決することはできません。私たちは、ギャンブルによるメリットやデメリットについて知り、現実的な依存症対策を講じる必要があるのです。
カジノ法案が先送りになって胸をなでおろすのではなく、これを機にギャンブル依存症対策に本腰を入れ、ギャンブル依存症回復支援、相談対応、予防啓発活動などの動きを活発化させる責任が、国や自治体、特にIR導入を検討している自治体に求められています。そして、私たちは、ギャンブルだけではなく「依存症」という問題をネガティブ視せず、解決策があるということを踏まえ、オープンに話ができる環境づくりを心掛ける必要があります。
★ギャンブル依存症を知る緊急セミナーの情報(12月開催)
http://www.oneness-g.com/press_conf/