薬物依存症
- 薬物依存症とは何か?
- 薬物依存症の依存対象は、鎮痛薬や睡眠薬といった身近な薬から、大麻、覚せい剤、危険ドラッグといった非合法の薬まで様々です。はじめは、ちょっとした好奇心や軽い気持ちで手を出すことがほとんどですが、次第にコントロールを失っていく「こころの病」です。薬によって、自分が抱える「生きづらさ」から解放され、自信や力を得たように感じることで、だんだんと手放せなくなるのです。使い続けるうちに少量では効果を感じられなくなり(耐性)、ますます薬物にのめり込んでいきます。
- 薬物依存症になるとどうなる?
- 薬物依存症になると、薬物摂取のコントロールを失います。脳の機能が変化してしまうため、ダメだとわかっていても、やめることができません。「自分は大丈夫」「やめようと思えばいつでもやめられる」といった、自分の状態を認めたがらないこともひとつの特徴です。所持や使用自体が犯罪になる場合のほか、薬物を買うお金欲しさに窃盗などの犯罪に手を染めてしまうという場合もあります。また薬が身体から抜けてくると手の震え、発汗、頭痛、動悸、痙攣、不眠、幻覚などの離脱症状がみられます。こうして精神面や身体面で変調をきたし、正常な生活を送ることができなくなるのです。
- 薬物依存症の治療方法は?
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薬物依存症の治療には、原則的に次の3つの段階があります。
1解毒治療…合併している精神・身体の疾患を治療し、離脱症状をおさえながら身体から薬物を抜いていきます。
2リハビリ治療…薬物の害について正しい知識を身につけ、薬物を断つための専門的な回復プログラムなどを受けます。薬物めぐって犯罪を犯してしまった場合、もう二度と繰り返さないように、専門の弁護士による支援を受けながら、薬物依存症から回復することが大切です。自分と向き合い、薬物に頼らざるをえなかった「生きづらさ」を乗り越えていきます。
3アフターケア…ダルクやNA(ナルコティクスアノニマス)と呼ばれる自助グループに通ったり、専門のリハビリ施設を利用したりして、回復を続けます。