アルコール依存症
- アルコール依存症とは何か?
- アルコール依存症とは、飲酒のコントロールができず、社会面や健康面で問題が出ていているにもかかわらずやめられない「こころの病気」です。私たちにとってお酒は身近な存在のために、意志や性格の問題として片付けられてしまったり、病気であることに気がつかなかったりして、専門的な治療につながりにくいことがあります。また、飲酒運転、虐待、暴力といった社会問題の影にアルコール依存症の問題がひそんでいることもあります。
- アルコール依存症になるとどうなる?
- アルコール依存症になると、飲酒の量や頻度のコントロールを失います。大切にしてきた家族や友人との関係や、仕事、趣味よりも、飲酒を優先するようになります。社会面や健康面に悪影響をおよぼしていても、やめることができません。また、断酒をすると手の震え、発汗、イライラ、頭痛、動悸、吐き気などの離脱症状がみられます。女性は体格が小さいため、男性よりも少ない酒量で短期間にアルコール依存症になりやすいことがわかっています。また最近の研究では、アルコールを分解する酵素の遺伝子による違いがアルコール依存症のなりやすさに強く影響することが知られています。
- アルコール依存症の治療方法は?
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アルコール依存症の治療には、原則的に次の3つの段階があります。
1解毒治療…合併している精神・身体の疾患を治療し、離脱症状をおさえながら身体からアルコールを抜いていきます。
2リハビリ治療…アルコールの害について正しい知識を身につけ、断酒を続けるための専門的な回復プログラムなどを受けます。自分と向き合い、アルコールに頼らざるをえなかった「生きづらさ」を乗り越えていきます。
3アフターケア…断酒会やAA(アルコホーリクスアノニマス)と呼ばれる自助グループに通ったり、専門のリハビリ施設を利用したりして、回復を続けます。