
覚せい剤よりも身近で怖い『危険ドラッグ』
元プロ野球選手の清原和博氏が覚せい剤使用容疑で再逮捕されました。今、世間では覚せい剤に注目が集まっていますが、覚せい剤や大麻などと同様に危険視されるべきものがあります。それが「危険ドラッグ」です。
●覚せい剤や麻薬以上に危険なことも
安価でインターネットなどでも販売されていることを受け、若い世代を中心に急速に広がっている危険ドラッグ。ここ数年、取締りが強化され、販売店は激減し、沈静化している印象を受けますが、ハーブやアロマオイル、パスソルト、ビデオのヘッドクリーナーなど、一見すると人体に無害な製品を装って、今だ近くに潜んでいます。
過去には「合法ドラッグ」「脱法ハーブ」などと呼ばれていましたが、現在は「危険ドラッグ」と称されています。「危険」という言葉で注意喚起を促していますが、身体への影響がなく、安全であるかのようにごまかして販売されているために、覚せい剤などと比べて毒性が低く感じられているようです。誤解されている場合が多いのですが、危険ドラッグの多くは麻薬や覚せい剤によく似た合成薬物を植物片に混ぜたり、水溶液で溶かして液体にしたり、粉末にしたりしているため、麻薬や覚せい剤以上に有害である可能性が高いのです。化学構造が麻薬や覚せい剤とは異なるとしても、同様の作用をもたらす、非常に危険な成分です。中には一回の使用で死に至るほど危険なものも紛れ込んでいるのです。
●自分だけでなく、ほかの人を傷つけることにも
若い世代の中には、こういった危険ドラッグをファッション感覚で使用している場合も見られます。先輩や友だちに勧められたから…、そんな理由で安易に使用した結果、意識障害や嘔吐、けいれん、呼吸困難などを起こして、重体に陥る事件や死亡する事件が多発しています。さらには危険ドラッグを服用した後、クルマを運転し、悲惨な事故を起こした事件もありました。使用した本人が死亡するだけでなく、他人を事件や事故に巻き込む可能性も十分にあり、結果的に人の命を奪ってしまうこともあるのです。これだけの危険性をわかっていても、まだ「自分は大丈夫」と思って使ってしまうところが、本当の怖しさではないでしょうか?
●進む法規制、しかしネットを通じた取引は残る
危険ドラッグは医薬品医療機器等法に基づき「指定薬物」として、輸入、製造、販売などが規制されてきましたが、平成26年12月からは、指定薬物に加え、「指定薬物と同等以上に有害な疑い」がある薬物も規制対象になっています。
これによって、以前は、乱用すると人体に有害とみられる薬物が発見されても、検査・分析などを経て指定薬物として指定されるまでは規制することが難しかった点が改善され、指定薬物の指定を待たずに製造・販売などを禁止することができるようになりました。また、平成26年4月からは輸入、製造、販売などを行う事業者側に加え、危険ドラッグを乱用する側も取り締まりの対象となるなど、近年規制が強化されてきました。さらに、平成27年4月からは、関税法上も指定薬物の輸入が禁止されるようになり、輸入の水際でも指定薬物の規制が進んでいます。
しかしながら、また危険ドラッグ「ラッシュ」を密輸したとして、中学校教諭ら2人が医薬品医療機器法違反(指定薬物の輸入)容疑で逮捕されています。表だった販売こそ少なくなりましたが、依然としてネット通販などを利用することで危険ドラッグを入手できる状況が残っています。
インターネットが普及し、ネット通販を利用して簡単に海外からでも物を買うことが出来るようになった今日において、危険ドラッグの輸入をすべて防ぐことは、ある意味不可能だと言わざるを得ません。
大切なのは、やはり危険ドラッグの危険性を十分に認識し、何よりもまず「手をださない」こと。そのためには、危険ドラッグの身体への悪影響や、中毒性、依存性について正しい情報を社会が発信し、意識してキャッチすることが必要です。あなたは本当に大切な仲間に、こんなに危険なものを、一時の興味本位だけで勧めることができますか?
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