依存症ラボ

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女性と依存症 2015.12.07

女性の依存症、急増中!?

○依存症は男性だけの病気ではありません

女性の依存症が情報番組で特集されることもあり、注目されるようになってきましたが、今、女性の依存症が増えています。アルコール、ギャンブル、薬物、摂食障害、買い物依存、恋愛依存など、物質依存や行為依存など多岐に渡るのが特徴で、また複数の症状を抱えている場合も少なくありません。女性は結婚や出産などでライフステージが大きく変わり、環境の変化によるストレスを抱えることも男性より多く、また社会進出が合わさることでストレスに拍車がかかることもあります。依存症といえば男性の病気のイメージがありますが、今は女性にも多く、むしろアルコールなどではホルモンの関係で、女性の方が影響を受けやすいという研究結果も示されています。

○回復につながりにくい一面も

奈良県にある女性専用の依存症回復支援施設『フラワーガーデン』で施設長を務めるオーバーヘイム容子さんは、自身も薬物や人間関係の依存を経験し、現在は回復を果して支援者として活躍しています。オーバーヘイムさんいわく、女性の依存症は発見されにくく、命の危険が及ぶほど重症化してからやっと病院や施設につながるケースも多いとか。その理由としては、恋人など男性や生まれ育った家族のもとにいることで見えにくくなっていたり、結婚してからは家庭があるからと離れられなかったりということもあるそう。薬物などの問題で警察に検挙され、やっと病院や施設につながることも少なくないそうです。

○女性らしさを大切にした回復

女性の依存症者の方と向き合う中で、自分を大切にする気持ちが少ない、もしくはわからないという特徴を感じるそうです。オーバーヘイムさんたちの回復施設に来てからもしばらくは感情もなく、ただ生きているだけの状態の方も。複雑な家庭環境、生活環境の中、よくぞここまで生き抜いてきたねと迎え入れ、ともにゆっくりと生活を始めるそうです。状況は好転と悪化をくり返すそうですが、それでも少しずつ感情が芽生え、笑顔が生まれ、仲間と会話ができるようになりと、人間らしさや女性らしさを取り戻す姿に心動かされるそう。男性からの暴力から逃げてきている場合もあり、安全で安心できる施設で少しずつ自分を取り戻し、新しい自分に出会えるような回復をサポートされています。回復の道は、言葉で表せるほど簡単なものではありません。それでも女性がもともと持っている輝きややさしさ、思いやりといった部分を大切に、施設が運営されています。女性の依存症問題へのアプローチはまだまだ始まったばかり。施設だけではなく、医療、司法、行政など、多くのサポートや応援を望まれています。

女性のための依存症治療共同体
フラワーガーデン
http://f-garden-ag.org/

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