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U.S. President Barack Obama speaks about the sequester after a meeting with congressional leaders at the White House in Washington March 1, 2013. Obama pressed the U.S. Congress on Friday to avoid a government shutdown when federal spending authority runs out on March 27, saying it is the "right thing to do." 
REUTERS/Kevin Lamarque  (UNITED STATES - Tags: BUSINESS POLITICS)
薬物依存症 2016.03.29

オバマ大統領、薬物問題に大型予算を配分、 社会問題解決に向けて「介入」

 

●交通事故より、死者が多い薬物問題
日本でも覚せい剤や危険ドラッグなど、薬物使用の問題がひんぱんにメディアで取り上げられ、身近にある危険、また社会問題として注目を集めていますが、アメリカではさらに深刻な状況が長く続いています。アメリカでは依存性の高いヘロインや、オピオイド系鎮痛薬(オキシコドンなど)による薬物問題が深刻化しています。オキシコドンは日本では聞きなれない薬ですが、アメリカでは一般的で、2015年には日本の大手自動車メーカーのアメリカ人女性幹部が密輸の疑いで逮捕されたと聞くと、思い出される人もいるでしょう。依存性の高さから医師の処方箋が必須の鎮痛剤ですが、比較的簡単に手に入るため、男女問わず摂取者が増加しています。アメリカ疾病対策予防センターによると、薬物が関係する死者は、2014年には28,648人と、その数が交通事故死より多いと示しています。とくにヘロイン関連の死亡事例と合成オピオイド関連の死亡事例が著しく増加傾向にあるようです。

 

●オバマ大統領が大規模予算配分を発表
処方薬濫用とヘロイン使用は、アメリカでは長く、多くの家族の心を悩ませる問題でした。今までも薬物依存症回復支援において、世界的に先進的な立場であるアメリカでしたが、それでもアメリカ社会にとっては、十分とは言えない環境だったと言われています。薬物の過剰摂取(オーバードーズ)で死に至る人が、交通事故死より多いという深刻な薬物汚染の状況を、自らの政権の優先事項と位置づけ支援を続けてきたオバマ大統領は、2017年度予算として11億ドル(日本円で約1130億円)の配分を決定したと報じられました。ドラッグの使用とオーバードーズを低下させるのに有効な方策として、またデータ的な裏付けのあるプログラム、処方薬のモニタリング、処方薬を回収するイベント、服薬併用治療、オーバードーズ救命薬としてのナロキソンなどをとくに強調しました。また医療保険制度改革法(通常オバマケア)の元では、薬物使用障害は必須の医療給付として、健康保険市場では保険プランでカバーすることを要求しています。これらは薬物問題で困っている人たちを十分に治療できるだけの額であり、オバマ大統領の強い決意が感じられます。

 

●望まれる良質なプログラムの開発と世界への普及
オバマ大統領による薬物問題解決のアプローチは今回だけではなく、2009年の就任後、2010年の全米ドラッグ使用コントロール対策が最初で、以後、手厚く取り組んできました。薬物を使用する際に使う注射器を使いまわすことで感染が拡大していた、HIVやウィルス性肝炎の問題にもアプローチし、薬物の過剰摂取(オーバードーズ)で呼吸困難に陥っている人を緊急に助けるためのナロキソンをより多くの専門家が携帯できるようにするなど、多くの改革が行われてきました。それぞれの州は、各自治体の状況にあわせて予防策とオーバードーズ対策を講じ、薬物から脱却するためのプログラムの研究、開発が行われ、豊かな社会資源として実を結んできました。今、薬物問題は広く世界の共通課題のひとつと言えるでしょう。アメリカが国をあげて取り組んできたノウハウやプログラムが、各団体を通じて、薬物問題回復支援に取り組む世界の関係者とシェアされ、広がることを望みますし、オバマ政権のような熱意が日本の政権に伝わってほしいものです。

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