依存症ラボ

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薬物依存症 2016.02.10

◆清原和博元プロ野球選手と薬物依存症◆

プロ野球界のスーパースター。一時代を築いた、清原和博元プロ野球選手の覚醒剤取締法違反による逮捕は日本中に衝撃を与えました。

テレビや球場で活躍を目にしてきた人たちは、もちろん多くいらっしゃるでしょう。またプロ野球やメジャーリーグで中心的な活躍している現役の若手選手には、「清原選手の野球を見て育った」「清原選手に憧れて野球選手を目指した」という選手が少なくないかとも思われます。

筆者も子どもの頃から彼の活躍を見て育った世代、西武ライオンズ時代には球場へも足を運びました。清原元選手のプロ野球人生と、引退後の活動を振り返ると、今回の事件の背景が見えてくるのではと筆を執りました。また清原元選手はこれからどのようになるのでしょうか。彼の今後の人生に焦点を当て考察します。

●引退後の孤独と荒廃が清原元選手の心と身体を蝕んでいった?

子どもの頃からずっと「巨人で野球をすること」だけを夢見てきた18歳の少年。それが叶わなかったドラフト会議。ある種、不本意なかたちでプロ野球人生のスタートを切ったかたちでしたが、その後は西武ライオンズの黄金時代を築き、素晴らしい活躍を見せてくれました。

その後、長嶋茂雄監督からのラブコールもあり、1997年にようやく巨人へ移籍となるも、この頃から故障に悩まされはじめます。思うように結果を出すことができず、ジレンマを抱えていたのではないでしょうか。最後はオリックスで現役引退を迎えます。

引退後は、本人が監督業への希望を口にすることはあったものの、実際に就くことはなく、また解説者としての仕事も芳しくありませんでした。現役時代にはあれほどのスター選手でありながら、です。

野球界からは離れたタレントとしての活動が主。しかし薬物疑惑や刺青などの問題が囁かれはじめ、そのタレントとしての仕事すらも激減。さらに私生活では二人の息子をもうけた妻との離婚が発表され、その荒廃ぶりは誰の目にも明らかでした。

不本意なかたちからスタートしながらも、輝かしい栄光の時代を過ごした清原和博容疑者。名球会入りも果たし、野球人としてスーパースターだったはずの彼の心が、曇りだしたのはいつの頃だったのでしょうか…。

はじめは水面に垂らされた、たった一滴の墨汁。じわじわと広がりはじめ、やがて澱のように溜まってゆく…引退後、仕事もうまくいかず、家族とも別れた孤独な生活。ギリギリで堰き止められていたものが、そこで一気に決壊したとしても不思議ではないように感じられます。

●「覚せい剤所持で逮捕=人生終わり」なのか?――“回復”の道はある

覚せい剤など薬物のせいで人生が狂ってしまった人は、有名人だけでなく、一般にもたくさんいます。今回の事件を受けて、テレビで自身の薬物依存症の過去、そこから回復した現在を語った方々がいました。依存症回復支援団体・ワンネスグループ(http://oneness-g.com/)でスタッフとして活動している20~40代の男性3人、20代の女性1人です。皆、顔と実名を公表し、薬物依存症に陥っていた過去を赤裸々に語りました。

一般に薬物依存症から回復することは難しいと言われます。なぜ彼らはこんなにも回復できたのでしょうか?

それは、一度は薬物によって人生に絶望した彼らが、依存症回復支援施設で、仲間とともにプログラムを受けて回復を果たしたこと。そして今、自分を救ってくれた依存症回復支援施設のスタッフとして、過去の自分とおなじ苦しみを抱える依存症者たちの支援をしているからです。

回復したとはいえ、過去の依存症体験をマスコミで実名と顔を出して語るには勇気が必要でしょう。しかし、彼らは自らの経験をもとに、薬物の苦しみの最中にいる仲間を救うことを使命としているからこそ、実名で語ることができる。つまり同時に、自分の回復にそこまで自信がある証だと言えます。

“回復”の道はかならずある―私たちは、それを伝えたい。絶望することはありません。

かつて人生に絶望し、死を意識するまでに苦しんだ依存症からの回復者が、あなたの回復への道を伴走します。そこは著名人、一般人の別はありません。清原元選手にも、あなたやあなたの身近な人にも言えることです。大丈夫、あなたも回復できます。

(文/麻生マリ子、母娘・家族問題研究家)
女性たちの抱える生きづらさの背景として、母娘関係に着目。10年間に渡る取材・著述活動を経て、現在は母娘問題・家族をテーマに研究、著作。また新聞や雑誌、WEB媒体などへ寄稿、コメント提供を行う。1977年、福岡県生まれ。自身も娘を持つ母である。

ブログ:http://ameblo.jp/asomariko/
公式Facebookページ:https://www.facebook.com/asomrk/

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